Japanese
English
症例報告
汎発性発疹性組織球腫の1例
A case of generalized eruptive histiocytoma
市村 知佳
1
,
吉田 憲司
1
,
小原 芙美子
1
,
田中 博子
1
,
石河 晃
1
Chika ICHIMURA
1
,
Kenji YOSHIDA
1
,
Fumiko OHARA
1
,
Hiroko TANAKA
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Department of Dermatology, Toho University Omori Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
generalized eruptive histiocytoma
,
自然消退
,
非Langerhans細胞組織球症
Keyword:
generalized eruptive histiocytoma
,
自然消退
,
非Langerhans細胞組織球症
pp.1077-1083
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204950
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要約 7か月,男児.生後2か月より軀幹,四肢に皮疹が出現した.ヒドロコルチゾン酪酸エステルを外用したが改善しないため受診した.初診時,全身に米粒大の淡紅色〜淡褐色調の丘疹や淡褐色斑が播種状に多発していた.粘膜病変や頸部リンパ節腫脹はなかった.病理組織学的に真皮乳頭層を中心に組織球様細胞の密な浸潤がみられ,リンパ球,わずかに肥満細胞を混じた.泡沫細胞,巨細胞,肉芽腫形成はなかった.免疫組織学的に組織球様細胞はCD68陽性,CD1a陰性で,S100蛋白は一部にのみ陽性だった.以上よりgeneralized eruptive histiocytomaと診断した.無治療で初診から3か月後に消退傾向を示した.Generalized eruptive histiocytomaは報告例が少ない稀な疾患である.多くは自然消退するものの,そのほかの組織球症へ移行するケースもあるため,臨床像の変化や内臓疾患の合併に注意しつつ慎重に経過を追う必要がある.
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