Japanese
English
症例報告
難治性皮膚潰瘍をきたした微小動静脈瘻の1例
A case of arteriovenous fistula which caused a intractable skin ulcer
田中 佳世
1
,
猿田 寛
1
,
大畑 千佳
1
,
古村 南夫
1
,
小野 文武
2
,
名嘉眞 武国
1
Kayo TANAKA
1
,
Hiroshi SARUTA
1
,
Chika OHATA
1
,
Minao FURUMURA
1
,
Fumitake ONO
2
,
Takekuni NAKAMA
1
1久留米大学医学部皮膚科
2佐曽利医院
1Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
2Sasori Clinic, Seki, Japan
キーワード:
静脈うっ滞
,
難治性下腿潰瘍
,
微小動静脈瘻
Keyword:
静脈うっ滞
,
難治性下腿潰瘍
,
微小動静脈瘻
pp.1055-1059
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204945
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要約 78歳,女性.50歳時に左人工股関節置換術を施行後,左下肢の短縮を認めていた.2011年より左下腿〜足背部にうっ滞性皮膚炎を合併し,その後足趾〜足背部に潰瘍病変が出現した.当院形成外科で外用療法,植皮術を施行されたが上皮化は得られず難治性皮膚潰瘍として精査・加療目的に当科紹介入院となった.潰瘍部の皮膚生検,臨床検査,各種培養検査,ABI検査,SPP検査で異常は認めず,CTA,DSAにて潰瘍形成部位に一致して動静脈の異常吻合を認め,微小動静脈瘻による難治性皮膚潰瘍と診断した.外科的治療の適応はないと判断し,下肢の安静・挙上を中心とした静脈うっ滞の改善を行ったところ潰瘍部は上皮化を認めた.微小動静脈瘻の原因は不明であることが多く,自験例も原因不明であったが,下肢短縮による歩行障害・筋力低下が静脈うっ滞を増悪させ,難治性皮膚潰瘍を生じたと考えた.
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