Japanese
English
症例報告
Flame figureがみられた光線過敏症の1例
A case of photosensitive dermatosis showing a flame figure
布井(古橋) 春佳
1
,
伊藤 崇
1
,
平塚 理沙
1
,
田中 博子
1
,
関東 裕美
1
,
石河 晃
1
Haruka NUNOI(FURUHASHI)
1
,
Takashi ITO
1
,
Risa HIRATSUKA
1
,
Hiroko TANAKA
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
Wells症候群
,
flame figure
,
光線過敏
,
persistent light reaction
Keyword:
Wells症候群
,
flame figure
,
光線過敏
,
persistent light reaction
pp.938-942
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204919
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要約 43歳,女性.初診の2週間前から顔面,両前腕に境界明瞭な浮腫性紅斑,水疱が出現した.紅斑が露光部に一致していたため光線過敏症と診断し皮膚生検を施行したところ,真皮全層の好酸球浸潤と,flame figureが多発していた.最少紅斑量(minimal erythema dose:MED)測定にて,UVBが9mJ/cm2と低値を示した.光線過敏の原因として,大腸癌に対して投与された,光線過敏の副作用報告のあるカペシタビンやエソメプラゾールによるpersistent light reactionを疑った.診断後は遮光のみで再発を認めなかったが,初診より8か月後のMEDでも低下は持続,1年後の8月に,遮光を怠った両足背の露出部に一致して発赤・腫脹が出現し,光線過敏が持続していると考えられた.Wells症候群は稀に日光曝露が原因となることが報告されているが,自験例は表皮の変化が強くみられたWells症候群と考えることも可能であり,同様症例の集積を期待して報告する.
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