Japanese
English
症例報告
腋窩の腫瘤として出現した血清PSA高値の原発不明癌の1例
A case of carcinoma of unknown primary site presenting as an axillary mass with serum prostate-specific elevation
泉 映里
1
,
西本 周平
2
,
石橋 正史
1
,
須山 一穂
3
Eri IZUMI
1
,
Shuhei NISHIMOTO
2
,
Masafumi ISHIBASHI
1
,
Kazuho SUYAMA
3
1日本鋼管病院皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
3日本鋼管病院泌尿器科
1Division of Dermatology, Nippon Kokan Hospital, Kawasaki, Japan
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
3Division of Urology, Nippon Kokan Hospital, Kawasaki, Japan
キーワード:
原発不明癌
,
PSA
,
腋窩
,
多発性リンパ節転移
,
骨転移像
Keyword:
原発不明癌
,
PSA
,
腋窩
,
多発性リンパ節転移
,
骨転移像
pp.892-896
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204907
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要約 70歳,男性.1年前より左腋窩に皮下硬結を自覚し,3か月前より増大した.左腋窩に4.2×3.2cmの硬い皮下腫瘤を認め,左頸部・鎖骨上窩リンパ節腫張を伴った.血液検査でPSA 51.7ng/mlと高値であった.病理組織学的に真皮〜脂肪織内に粘液産生傾向を伴う好酸性細胞で構成される腫瘍塊を認め,CK7,PSA陽性,CK20,CDX-2,TTF-1陰性であった.前立腺癌の転移を考え前立腺生検もしたが悪性所見を認めず,各種画像検査で全身の多発性骨・リンパ節転移を認めたが,原発巣を認めなかった.PSA高値原発不明癌と診断し,転移性前立腺癌に準じて内分泌療法を開始した.PSA値の正常化と腋窩病変・頸部リンパ節の縮小を認め,良好な治療効果が得られた.一般的に原発不明癌は予後不良だが,男性の造骨性骨転移およびPSA値の上昇を伴う腺癌は進行性前立腺癌骨転移に準じた治療が有効な症例が多い.このため,男性の原発不明癌ではPSA値の測定が重要である.
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