Japanese
English
症例報告
ブシラミン投与により発症した乾癬型薬疹と思われる1例
A case of psoriatic drug eruption probably due to bucillamine
冲永 昌悟
1
,
多田 弥生
1
,
武岡 伸太郎
1
,
清水 知道
1
,
井関 紗月
1
,
林 耕太郎
1
,
大西 誉光
1
,
伊賀 祥子
2
,
渡辺 晋一
1
Shogo OKINAGA
1
,
Yayoi TADA
1
,
Shintaro TAKEOKA
1
,
Tomomichi SHIMIZU
1
,
Satsuki ISEKI
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shoko IGA
2
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
2帝京大学医学部内科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Internal Medicine, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
乾癬型薬疹
,
尋常性乾癬
,
ブシラミン
,
薬剤アレルギー
Keyword:
乾癬型薬疹
,
尋常性乾癬
,
ブシラミン
,
薬剤アレルギー
pp.761-766
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204878
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要約 48歳,女性.初診の7か月前に関節リウマチの診断で,近医内科でブシラミンを開始され,翌月からメトトレキサート(MTX)が追加投与された.2か月後に肝機能障害と倦怠感が出現し,MTXは中止し,ブシラミンのみ投与継続された.ブシラミン投与開始3か月後から両手掌と足底に瘙痒を伴う角化性紅斑が出現した.その後,皮疹は頭部,下腿にも生じ,ジフロラゾン酢酸エステルを外用するも改善せず,2015年10月に当科を紹介受診した.頭部,足底には角化性の紅斑局面を認め,手掌,下腿には表面に鱗屑が付着する大豆大までの紅斑が散在していた.血液検査で好酸球が21%と上昇し,乾癬様の病理組織像に加え,空胞変性,色素失調,真皮への好酸球浸潤を認めた.乾癬型薬疹を疑い,ブシラミン内服を中止したところ,皮疹は色素沈着となり,好酸球数も1%まで改善した.乾癬型薬疹の報告のある薬剤を投与後に乾癬様の皮疹を認める場合は,乾癬型薬疹を考える必要がある.
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