Japanese
English
症例報告
副腎皮質ステロイド外用薬により二次性副腎皮質機能低下症を示した乾癬性紅皮症の1例
A case of psoriatic erythroderma with secondary hypoadenocrrticism due to topical steroid
武岡 伸太郎
1
,
林 耕太郎
1
,
多田 弥生
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
Shintaro TAKEOKA
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Yayoi TADA
1
,
Takamitsu ONISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
尋常性乾癬
,
医原性Cushing症候群
,
生物学的製剤
,
インフリキシマブ
Keyword:
尋常性乾癬
,
医原性Cushing症候群
,
生物学的製剤
,
インフリキシマブ
pp.648-653
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204520
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要約 39歳,男性.尋常性乾癬の診断で24年間,クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏を全身に外用していた.乾癬性紅皮症となって当院を受診したとき,満月様顔貌と中心性肥満を認め,内分泌検査でも副腎機能低下を認めた.乾癬治目的の長期ステロイド外用による医原性Cushing症候群と診断した.インフリキシマブ導入後,皮疹の改善に伴いステロイド外用量が減ったため,ステロイド補充を開始し,ステロイド離脱症候群は生じていない.長期間strongestクラスのステロイド外用剤で加療されてきた症例に生物学的製剤を導入すると外用量は減量されるが,それに伴う副腎機能不全の懸念もある.こうした症例では,副腎機能の評価を正しく行いつつ,外用剤のランクダウンや減量を行い,必要に応じてステロイドを補充する必要があると考える.
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