Japanese
English
症例報告
頸部可動域制限を認めた強直性脊椎炎型の関節症性乾癬の1例
A case of ankylosing spondylitis-type psoriatic arthritis showing disturbance of excursion in the cervix
武岡 伸太郎
1
,
多田 弥生
1
,
林 耕太郎
1
,
冲永 昌悟
1
,
清水 知道
1
,
井関 紗月
1
,
大西 誉光
1
,
山本 麻子
2
,
渡辺 晋一
1
Shintaro TAKEOKA
1
,
Yayoi TADA
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Shogo OKINAGA
1
,
Tomomichi SHIMIZU
1
,
Satsuki ISEKI
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Asako YAMAMOTO
2
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
2帝京大学医学部放射線科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Radiology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
関節症性乾癬
,
乾癬
,
生物学的製剤
,
インフリキシマブ
Keyword:
関節症性乾癬
,
乾癬
,
生物学的製剤
,
インフリキシマブ
pp.591-596
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204835
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要約 42歳,男性.28年前に頭皮に瘙痒を伴う鱗屑を付着する紅斑が出現した.近医で外用剤を処方されたが改善せず,2年後から全身に皮疹が拡大した.尋常性乾癬と診断され外用,内服,温泉療法で加療したが改善しなかった.3年前より頸部から肩にかけての疼痛が出現し,頸部の運動が制限されるようになった.その数か月後より腰痛も出現した.臨床症状,生検皮膚病理組織像,画像検査所見から関節症性乾癬と診断した.インフリキシマブ投与を開始し,初回投与6週後でPASIは18.9から1.6まで改善した.頸部の前屈可動域は投与前10°から34週間後には14°まで若干改善した.自験例のような体軸関節の骨破壊を伴う関節炎の場合,機能障害に伴うQOL障害が高い.また,骨破壊が進行してからでは生物学的製剤を使用しても回復が難しい.そのため,関節炎が疑われる症状が発現したら,画像検査などによる早期診断に努め,診断確定次第,適切な治療を開始すべきと考える.
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