Japanese
English
症例報告
MRSA感染により特異な臨床像を呈した落葉状天疱瘡の1例
A case of atypical pemphigus foliaceus with MRSA infection
福山 雅大
1
,
早川 順
1
,
五味 方樹
1
,
大山 学
1
Masahiro FUKUYAMA
1
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Masaki GOMI
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
落葉状天疱瘡
,
methicillin-resistant Staphylococcus aureus
,
二次感染
,
長期臥床
Keyword:
落葉状天疱瘡
,
methicillin-resistant Staphylococcus aureus
,
二次感染
,
長期臥床
pp.579-584
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204832
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要約 83歳,男性.脳出血にて長期臥床中であった.初診の1年前より間擦部に紅斑があり,ステロイド剤を長期間外用していたが,皮疹が拡大し受診した.初診時,境界明瞭で主として辺縁に鱗屑とびらんを伴う紅斑を全身に認めた.皮疹は融合傾向を示し,特に腹部では一部環状を呈していた.診断に苦渋したが,抗デスモグレイン1抗体高値,直接蛍光抗体法で表皮細胞間にIgGの沈着を確認したことから落葉状天疱瘡と診断した.創部と血液培養からMRSAが検出され,まず抗菌薬投与にて加療したところ上皮化傾向を認めたが,紅斑辺縁のびらん面は残存した.ステロイド外用剤の追加で皮疹は軽快した.これまで紅皮症や膿痂疹に類似した臨床像を呈した細菌感染合併落葉状天疱瘡症例が報告されている.自験例を通じて,臨床像が典型的でなくとも,びらん面があれば水疱症の可能性を常に念頭に置くことの必要性を再認識した.
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