Japanese
English
症例報告
潰瘍性大腸炎に合併した線状IgA水疱性皮膚症の1例
A case of linear IgA bullous dermatosis with ulcerative colitis
伊藤 恵梨
1
,
足立 秀禎
1
,
鈴木 伸吾
1
,
石井 文人
2
,
橋本 隆
3
Eri ITO
1
,
Hidesada ADACHI
1
,
Shingo SUZUKI
1
,
Norito ISHII
2
,
Takashi HASHIMOTO
3
1豊田厚生病院皮膚科
2久留米大学医学部皮膚科
3久留米大学皮膚細胞生物学研究所
1Section of Dermatology, Toyota Kosei Hospital, Toyota, Japan
2Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
3Kurume University Institute of Cutaneous Cell Biology, Kurume, Japan
キーワード:
線状IgA水疱性皮膚症
,
潰瘍性大腸炎
Keyword:
線状IgA水疱性皮膚症
,
潰瘍性大腸炎
pp.585-590
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204833
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要約 21歳,男性.19歳より潰瘍性大腸炎がありメサラジン内服加療中であった.初診1か月前から腹部に紅斑,水疱が出現し,徐々に全身に拡大したため受診した.皮膚生検で病理組織学的に表皮下水疱を認めた.蛍光抗体直接法では表皮基底膜部に線状にIgAが沈着していた.蛍光抗体間接法で1M食塩水剝離皮膚の表皮側にIgAが反応した.濃縮HaCaT細胞培養上清を用いた免疫ブロット法では患者血清IgAが120kDa LAD-1に反応した.以上より,線状IgA水疱性皮膚症,lamina lucida型と診断した.プレドニゾロン50mg/日より内服開始し,皮疹が再燃することなくステロイドは漸減することができた.経過中に潰瘍性大腸炎の悪化もみられなかった.潰瘍性大腸炎患者に広範囲の紅斑,水疱が出現した場合は本症も念頭に置いて精査すべきと考えた.
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