Japanese
English
症例報告
浸潤の強い紅斑を主症状とした落葉状天疱瘡の1例
A case of pemphigus foliaceus,mainly presenting indurated erythemas
金井田 一子
1
,
宍戸 悦子
1
,
水嶋 淳一
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
,
天谷 雅行
2
Kazuko KANAIDA
1
,
Etsuko SHISHIDO
1
,
Junichi MIZUSHIMA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
,
Masayuki AMAGAI
2
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Tokyo Women's Medical University
2Depertment of Dermatology,Keio University School of Medicine
キーワード:
落葉状天疱瘡
,
デスモグレイン
,
長期臥床
,
掻破
Keyword:
落葉状天疱瘡
,
デスモグレイン
,
長期臥床
,
掻破
pp.53-56
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101132
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78歳,男性.1999年1月に背部に紅斑,水疱が出現し,近医よりニコチン酸アミド50mg/日, 塩酸ミノサイクリン50mg/日,シクロスポリン25mg/日の投与を受けるも軽快せず,2000年8月当科を受診した.初診時,顔面,頚部,軀幹,四肢に鶏卵大までの暗紅色斑が多発し,背部では癒合し,厚い鱗屑,痂皮が固着していた.病理組織像では角層から顆粒層に棘融解を認め,表皮は不規則に肥厚していた.蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgGの沈着を認め,間接法は80倍,血中抗デスモグレイン1抗体陽性で落葉状天疱瘡と診断した.プレドニゾロン40mg/日の内服を開始し皮疹は軽快した.不十分な治療と痴呆による長期臥床,さらに寝具に背部をこすりつけるという形での掻破の繰り返しなどにより特異な臨床像を呈したと考えた.
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