Japanese
English
症例報告
結節腫瘤を呈し短期間に急性転化したくすぶり型成人T細胞白血病/リンパ腫の1例
A case of smoldering type of adult T-cell leukemia/lymphoma with nodulotumors accompanied by acute blast crisis in a short period
奈古 利恵
1
,
船坂 陽子
1
,
秋山 美知子
1
,
川名 誠司
1
,
福永 景子
2
,
中山 一隆
2
,
佐伯 秀久
1
Toshie NAKO
1
,
Yoko FUNASAKA
1
,
Michiko AKIYAMA
1
,
Seiji KAWANA
1
,
Keiko FUKUNAGA
2
,
Kazutaka NAKAYAMA
2
,
Hidehisa SAEKI
1
1日本医科大学皮膚科学教室
2日本医科大学血液内科学教室
1Department of Dermatology, Nippon Medical School, Tokyo, Japan
2Division of Hematology, Department of Internal Medicine, Nippon Medical School, Tokyo, Japan
キーワード:
成人T細胞白血病/リンパ腫
,
結節腫瘤型
,
くすぶり型
,
急性転化
Keyword:
成人T細胞白血病/リンパ腫
,
結節腫瘤型
,
くすぶり型
,
急性転化
pp.535-541
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204820
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要約 71歳,女性.初診時,顔面・軀幹に紅斑,上肢関節部に結節,指の腫脹などの多彩な皮疹があった.皮膚病理組織では真皮上層から皮下までびまん性にリンパ球様細胞が浸潤していた.免疫染色から皮膚T細胞リンパ腫を疑い,母に成人T細胞白血病/リンパ腫(adult T-cell leukemia/lymphoma:ATLL)の既往があることを聴取した.抗HTLV-1抗体陽性で,皮疹部の遺伝子解析でHTLV-1プロウイルスのモノクローナルな組み込みがあり,ATLLと診断した.病型はくすぶり型であり,臨床症状と病理組織学的所見より結節腫瘤型と分類した.経過中に皮疹の増悪,表在リンパ節の腫脹,血液検査で異型リンパ球の出現がみられた.急性転化したため化学療法を施行し,現在症状は改善している.結節腫瘤型のATLLは短期間で急性転化する場合があるため,定期的な経過観察と急性転化時の早急な対応が必要である.
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