特集 2019年の白血病診療―新たな武器を上手に活用するために
白血病の治療:新規治療薬の役割を含めて
成人T細胞白血病/リンパ腫
藤 重夫
1
1大阪国際がんセンター血液内科
キーワード:
成人T細胞白血病/リンパ腫
,
ATL
,
同種造血幹細胞移植
,
抗CCR4抗体
Keyword:
成人T細胞白血病/リンパ腫
,
ATL
,
同種造血幹細胞移植
,
抗CCR4抗体
pp.2107-2112
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2107
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Summary
▪ATLと診断するには,T細胞リンパ腫の診断に加えてHTLV-1ウイルスのclonalityの存在を証明する必要がある.
▪ATLにはくすぶり型,慢性型,急性型,リンパ腫型の4病型があり,その病型により治療方針が決まる.
▪アグレッシブATLとされる急性型,リンパ腫型,予後不良因子を有する慢性型においては,多剤併用化学療法の後,移植適応例では同種移植をup-frontで行うことが勧められる.
▪くすぶり型および予後不良因子を有さない慢性型に関しては,現在は無治療経過観察が選択される.
▪希少疾患ではあるが現在新規治療薬の開発が進んでおり,近い将来,治療方針が変わってくる可能性がある.
▪診断時には,治験や臨床試験の有無を専門家にコンサルトすることが望ましい.
© Nankodo Co., Ltd., 2019