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特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅰ.腫瘍,腫瘍様病変
リンパ増殖性病変
成人T細胞白血病/リンパ腫
Adult T-cell leukemia/lymphoma (ATL/L)
三池 忠
1
,
河上 洋
1
,
鈴木 翔
1
,
福島 剛
2
Tadashi Miike
1
,
Hiroshi Kawakami
1
,
Sho Suzuki
1
,
Tsuyoshi Fukushima
2
1宮崎大学医学部内科学講座消化器内科学分野
2宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野
キーワード:
成人T細胞白血病/リンパ腫
,
内視鏡
,
十二指腸・小腸
Keyword:
成人T細胞白血病/リンパ腫
,
内視鏡
,
十二指腸・小腸
pp.490-491
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001325
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疾患の概要
成人T細胞白血病/リンパ腫(adult T-cell leukemia/lymphoma:ATL/L)はhuman T lymphotropic virus type 1(HTLV-1)に感染したCD4陽性のT細胞リンパ腫である。九州,沖縄地方などの南西日本に好発し,日本以外ではカリブ海諸国,中南米に認める。Japan Clinical Oncology Group(JCOG)リンパ腫グループ(LSG)による全国実態調査1)をもとに予後因子が解析され,白血化,臓器浸潤,高LDH血症,高Ca血症の有無と程度により,「急性型」,「リンパ腫型」,「慢性型」,「くすぶり型」の臨床病型が分類された。おもに母乳を介して感染し,発症まで長い年月を要するため,その病態や臨床症状は多彩であり,全身臓器への浸潤傾向が強いことが特徴である。内視鏡的特徴は全消化管に顆粒状粘膜,隆起や皺襞の肥厚,びらんや潰瘍など多彩な形態を呈する。再発が高率である化学療法に比べて有効性の高い同種造血幹細胞移植へ治療の期待が高まっている。
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