Japanese
English
症例報告
粉瘤との鑑別を要した耳垂のMerkel細胞ポリオーマウイルス陽性Merkel細胞癌の1例
A case of Merkel cell polyomavirus-positive Merkel cell carcinoma in the ear lobe similar to an epidermal cyst
遠藤 嵩大
1
,
尾崎 由美
1
,
葉山 惟大
1
,
天貝 純郁
1
,
鈴木 啓之
1
,
照井 正
1
,
片野 晴隆
2
Takahiro ENDO
1
,
Yumi OZAKI
1
,
Koremasa HAYAMA
1
,
Juniku AMAGAI
1
,
Hiroyuki SUZUKI
1
,
Tadasi TERUI
1
,
Harutaka KATANO
2
1日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野
2国立感染研究所感染病理部
1Department of Cutaneous Science, Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Pathology, National Institute of Infectious Diseases, Tokyo, Japan
キーワード:
耳垂
,
Merkel細胞癌
,
Merkel細胞ポリオーマウイルス
Keyword:
耳垂
,
Merkel細胞癌
,
Merkel細胞ポリオーマウイルス
pp.427-430
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204794
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要約 81歳,女性.初診の約2か月前から左耳垂のしこりを自覚した.近医で粉瘤を疑われ,皮膚切開,抗菌薬内服でも改善しないため,当院に紹介され受診した.初診時,左耳垂に暗紅色の直径12mm大の球状皮下結節がみられた.病理組織学的所見では,表皮直下から皮下脂肪織にかけて結節状に増殖する腫瘍塊がみられる.腫瘍細胞はN/Cの高い細胞であった.免疫染色でCK20が腫瘍細胞の細胞質にドット状に陽性であった.Merkel細胞癌T1cN0M0 Stage IAと診断し,全切除後に放射線療法を行った.術後約1年半が経過したが,局所再発や転移はない.腫瘍細胞から抽出したDNAのPCR解析でMerkel細胞ポリオーマウイルスが検出された.またMerkel細胞ポリオーマウイルスLarge T抗原に対する抗体を用いた免疫染色で腫瘍細胞は陽性であった.過去の耳垂報告例でも粉瘤様であったものが2例あり,耳垂では粉瘤様の外観を示す可能性があると考えた.
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