Japanese
English
症例
乾癬性関節炎患者に対するインフリキシマブ投与後に生じた小型血管炎の1例
Small Vessel Vasculitis Occurring after the Administration of Infliximab in a Patient with Psoriatic Arthritis
水野 綾音
1
,
福屋 泰子
1
,
遠藤 千尋
1
,
石黒 直子
1
Ayane MIZUNO
1
,
Yasuko FUKUYA
1
,
Chihiro ENDO
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学,皮膚科学教室(主任:石黒直子教授)
キーワード:
抗TNF-α製剤
,
乾癬性関節炎
,
血管炎
,
インフリキシマブ
Keyword:
抗TNF-α製剤
,
乾癬性関節炎
,
血管炎
,
インフリキシマブ
pp.1565-1569
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002210
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51歳,男性。20歳で乾癬を発症し,仙腸関節炎も併発したため,7年前からインフリキシマブの投与を開始し,コントロール良好であった。約2週間前より,両下腿に紫紅色斑が出現し,一部に黒色壊死物質の付着する潰瘍があり,左鎖骨部・左小指MP関節の疼痛も伴った。紫紅色斑の病理組織学的所見では,真皮上中層の小型血管周囲性に炎症細胞の浸潤,血管壁の破砕像がみられ,蛍光抗体直接法では血管壁にIgA,IgM,C3が沈着していた。インフリキシマブの投与を中止したところ,皮疹は徐々に軽快し,中止3カ月後には血疱の新生はとまった。インフリキシマブでは,血管炎を発症する可能性があり,重篤な臓器障害を伴うこともあることから注意が必要である。
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