Japanese
English
症例報告
インフリキシマブにより全身に膿疱を生じた関節症性乾癬の1例
A case of psoriatic arthritis with generalized pustules induced by infliximab
戸田 和美
1
,
山本 文平
1
Nagomi TODA
1
,
Bunpei YAMAMOTO
1
1彦根市立病院皮膚科
1Division of Dermatology, Hikone Municipal Hospital, Hikone, Japan
キーワード:
乾癬
,
インフリキシマブ
,
逆説的反応
,
膿疱
,
シクロスポリン
Keyword:
乾癬
,
インフリキシマブ
,
逆説的反応
,
膿疱
,
シクロスポリン
pp.654-660
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204522
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 50歳台,女性.体幹と下肢の紅斑,関節痛,掌蹠の膿疱と落屑を主訴に受診し,関節症性乾癬と診断した.初診時の皮疹は軽度であったが,インフリキシマブ2回目投与後に膿疱を伴う紅斑が全身に出現した.逆説的反応と考え,インフリキシマブを中止し,シクロスポリンの内服に切り替えたところ,膿疱は速やかに消退した.TNF-α阻害薬により膿疱が汎発化した症例は,自験例を含め本邦で9例報告があり,すべて女性であった.ほとんどの症例でTNF-α阻害薬は中止され,治療はステロイド・ビタミンD3の外用やステロイド内服,他のTNF-α阻害薬へ変更,シクロスポリン内服だった.ステロイドを内服した症例には基礎疾患にCrohn病や関節リウマチが含まれていた.乾癬を基礎疾患とする2例がシクロスポリンを内服して改善していた.乾癬が基礎疾患の場合,難治で重症の逆説的反応にシクロスポリン内服は有効と考えられた.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.