Japanese
English
症例報告
癤腫様皮疹を呈した不全型Behçet病の1例
Incomplete Behçet disease with a rash resembling furunculosis
武岡 伸太郎
1
,
多田 弥生
1
,
林 耕太郎
1
,
福安 厚子
1
,
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
,
伊藤 理恵
2
,
新井 淑子
3
,
菊池 弘敏
4
Shintaro TAKEOKA
1
,
Yayoi TADA
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Atsuko FUKUYASU
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Shinichi WATANABE
1
,
Rie ITOH
2
,
Toshiko ARAI
3
,
Hirotoshi KIKUCHI
4
1帝京大学医学部皮膚科学講座
2埼玉協同病院皮膚科
3帝京大学医学部眼科学講座
4帝京大学医学部内科学講座
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Division of Dermatology Saitama Kyodo hospital, Saitama, Japan
3Department Opthalmology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
4Department of Internal medicine, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Behçet病
,
毛囊炎様皮疹
,
不全型Behçet病
,
皮膚症状
,
HLA-B51
Keyword:
Behçet病
,
毛囊炎様皮疹
,
不全型Behçet病
,
皮膚症状
,
HLA-B51
pp.373-377
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204781
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要約 66歳,男性.初診1か月前より顔に自覚症状のない膿疱,紅色丘疹が出現した.その後,体幹にまで拡大,増数した.2〜3日前から結膜充血も出現した.近医で毛囊炎を疑われ抗生剤内服するも改善せず当科を受診した.経過中に発熱はなかった.顔面および体幹中央を中心に大豆大までの紅色丘疹が多発散在していた.一部の皮疹では複数の膿疱を混じ,体幹の皮疹は一部融合し紅色局面を形成していた.精査にて虹彩毛様体炎,緑内障と毛囊炎様皮疹,針反応陽性,炎症反応の亢進,HLA-B51陽性,病理組織所見のすべてが合致し,不全型Behçet病と診断した.本症例の皮膚症状は分布が顔面,軀幹に多発するも四肢に認めず,個疹が大きく,さらに一部では表面に複数の膿疱を伴い,癤様の皮膚症状を呈した点が特異であると考えた.こうした皮疹を有した症例は調べえた限りでは自験例が初めてで毛囊炎様皮疹の重症型の臨床症状と考えた.
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