Japanese
English
症例報告
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例
A case of eosinophilic granulomatosis with polyangiitis
明石 顕
1
,
植木 理恵
1
,
山下 史記
1
,
梁 広石
2
Ken AKASHI
1
,
Rie UEKI
1
,
Fumiki YAMASHITA
1
,
Kwangseok YANG
2
1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター皮膚科
2順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター総合診療科
1Section of Dermatology, Juntendo Tokyo Koto Geriatric Medical Center, Tokyo, Japan
2Section of General medicine, Juntendo Tokyo Koto Geriatric Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
アレルギー性肉芽腫性血管炎
,
ステロイド
,
好酸球増多
Keyword:
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
アレルギー性肉芽腫性血管炎
,
ステロイド
,
好酸球増多
pp.379-382
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204782
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要約 27歳,男性.2010年11月,下肢に瘙痒伴う紅褐色斑が多発した.近医にてステロイド内服・外用で加療されたが再発を繰り返し,全身に拡大したため,4月上旬に当院皮膚科受診した.皮膚症状は内服・外用で改善したが,4月中旬に左下肢の腫脹と疼痛が出現し,蜂窩織炎を疑い抗生剤内服を開始した.1週間後に両側足関節腫脹,下肢痛で歩行困難となった.好酸球数増加,下肢感覚低下,胸部X線で両肺野にスリガラス陰影を認め,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)の疑いで入院した.皮膚生検で血管周囲に著明な好酸球浸潤,肉芽腫性変化を認め,下肢の単神経炎所見を伴いEGPAと診断した.入院後3日間ステロイドパルスを施行し,プレドニゾロン(PSL)60mg内服を開始した.下肢感覚,皮膚症状とも改善し,PSL 40mgで退院した.EGPAは治療が遅れると症状が遷延するため,早期発見・治療が必要である.アレルギー性鼻炎の基礎疾患があり,瘙痒を伴う皮疹が初発したEGPAは少ないため報告した.
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