Japanese
English
症例報告
水疱性類天疱瘡に発症した後天性血友病A—皮膚生検後の止血に難渋した1例
Acquired hemophilia A in a patient with bullous pemphigoid complicated with severe bleeding at a skin biopsy site
永島 和貴
1
,
山田 朋子
1
,
中村 哲史
1
,
牧 伸樹
1
,
中村 考伸
1
,
梅本 尚可
1
,
石井 彰
2
,
木村 俊一
3
,
出光 俊郎
1
Kazutaka NAGASHIMA
1
,
Tomoko YAMADA
1
,
Satoshi NAKAMURA
1
,
Nobuki MAKI
1
,
Toshinobu NAKAMURA
1
,
Naoka UMEMOTO
1
,
Akira ISHII
2
,
Shunichi KIMURA
3
,
Toshio DEMITSU
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター皮膚科
2自治医科大学附属さいたま医療センター総合診療科
3自治医科大学附属さいたま医療センター血液内科
1Department of Dermatology, Jichi Medical University Saitama Medical Center, Saitama, Japan
2Department of General Medicine, Jichi Medical University Saitama Medical Center, Saitama, Japan
3Department of Hematology, Jichi Medical University Saitama Medical Center, Saitama, Japan
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
後天性血友病A
,
第Ⅷ因子インヒビター
,
皮膚生検
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
後天性血友病A
,
第Ⅷ因子インヒビター
,
皮膚生検
pp.201-206
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204679
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要約 80歳,男性.右頰粘膜の血腫および右膝部の難治性皮膚潰瘍により当科に紹介された.数か月前に皮膚に水疱が多発した病歴があり,水疱性類天疱瘡を疑い皮膚生検を施行し入院した.入院時の採血で活性部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)が75.2秒と延長しており,第Ⅷ因子活性の低下と第Ⅷ因子インヒビターの陽性化から後天性血友病Aと診断した.また,血中抗BP180NC16a抗体陽性,蛍光抗体直接法,間接法で基底膜部にIgGの沈着を認め,水疱形成の既往臨床像から,水疱性類天疱瘡に後天性血友病Aが合併したと診断した.生検数日後から同部位に著明な出血を認めた.血腫除去,再縫合を行ったが創部感染をきたし,出血コントロールに難渋した.自己免疫疾患に後天性血友病Aが合併することがあり,凝固系評価は必須である.自験例のようにAPTTの単独延長を認めた症例では後天性血友病Aを疑い,診断時は,病勢コントロールがつくまでは皮膚生検など外科的侵襲は禁忌である.
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