Japanese
English
症例報告
放射線療法後にTS-1®内服療法を併用し奏効した乳房外Paget病の1例
Adjuvant chemotherapy by TS-1® against post radiotherapy of extramammary Paget's disease
船津 栄
1
,
宮田 聡子
1
,
鈴木 大輔
2
,
松島 昭三
2
,
小松 達司
2
Sakae FUNATSU
1
,
Toshiko MIYATA
1
,
Daisuke SUZUKI
2
,
Shozo MATSUSHIMA
2
,
Tatsuji KOMATSU
2
1独立行政法人国立病院機構横浜医療センター皮膚科
2独立行政法人国立病院機構横浜医療センター消化器内科
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Yokohama Medical Center, Yokohama, Japan
2Division of Gastroenterology, National Hospital Organization Yokohama Medical Center, Yokohama, Japan
キーワード:
乳房外Paget病
,
進行期
,
TS-1®
,
アジュバント化学療法
,
放射線療法
Keyword:
乳房外Paget病
,
進行期
,
TS-1®
,
アジュバント化学療法
,
放射線療法
pp.62-66
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204644
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要約 76歳,男性.陰囊部に巨大な腫瘤を形成し,左鼠径部リンパ節転移をきたした進行期乳房外Paget病(advanced extramammary Paget's disease:ad EMPD)と診断した.進行期胃癌と早期大腸癌も同時に認めた.認知症があり,いずれの腫瘍に対しても積極的な手術療法の希望がなかった.ad EMPDに対しては放射線療法により腫瘍の縮小化が認められた.胃癌に対してはTS-1®療法を選択したがad EMPDの再発が抑制されたと考えられた.手術後や放射線療法後に残存した微小な転移に対して,完全治癒や生存率向上を目的として行われる化学療法はアジュバント化学療法といわれており,自験例のように,ad EMPDに対し放射線療法を行って腫瘍量を大幅に減少させ,TS-1®をその再発抑制の目的として投与する治療も,残存する腫瘍に対する補完的治療でありアジュバント化学療法と考えた.
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