Japanese
English
症例報告
大量免疫グロブリン静注療法の併用によりステロイドを減量しえた天疱瘡の2例
Two cases of pemphigus in which systemic steroid was successfully tapered with high dose intraveneous immunoglobulin therapy
遠藤 千尋
1
,
常深 祐一郎
1
,
五十嵐 麻貴
1
,
川島 眞
1
Chihiro ENDO
1
,
Yuichiro TSUNEMI
1
,
Maki IGARASHI
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Woman's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
落葉状天疱瘡
,
ステロイド減量困難例
,
高齢者
,
大量免疫グロブリン静注療法
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
落葉状天疱瘡
,
ステロイド減量困難例
,
高齢者
,
大量免疫グロブリン静注療法
pp.767-772
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204550
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要約 症例1:19歳,男性.初診の2か月前より口腔内にびらんが多発し,増数した.粘膜型尋常性天疱瘡の診断でプレドニゾロン(PSL)50mg/日投与を開始したが,PSL減量にてびらんが再燃したためステロイド減量困難例と判断し,大量免疫グロブリン静注(intravenous immunoglobulin:IVIG)療法を併用したところPSLを順調に減量できた.症例2:76歳,男性.初診2か月前より顔面,軀幹,四肢にびらんを伴う紅斑が多発し増数した.落葉状天疱瘡の診断でPSL 40mg/日投与を開始したがびらんと紅斑の新生が続いた.高齢であり,心筋梗塞,高血圧の既往があるためステロイド増量はせずにIVIG療法を併用したところ,ステロイドを順調に減量できた.ステロイド減量困難例や,ステロイド長期投与による合併症の危険性が高い天疱瘡の症例にIVIG療法の併用は有用である.
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