Japanese
English
今月の症例
早期の大量γグロブリン静注療法(IVIG療法)により中等量ステロイド投与併用でコントロールしえた尋常性天疱瘡の2例
Two cases of pemphigus vulgaris treated medium dose oral predonisolone with intravenous immunoglobulin treatment
奥野 愛香
1
,
谷崎 英昭
1
,
江川 形平
1
,
谷岡 未樹
1
,
椛島 健治
1
,
宮地 良樹
1
Aika OKUNO
1
,
Hideaki TANIZAKI
1
,
Gyouhei EGAWA
1
,
Miki TANIOKA
1
,
Kenji KABASHIMA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科
1Department of Dermatology,Graduate School of Medicine,Kyoto University,Kyoto,Japan
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
IVIG療法
,
ステロイド内服療法
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
IVIG療法
,
ステロイド内服療法
pp.192-198
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103188
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要約 症例1:55歳,女性.初診の約1年前より口腔内潰瘍が出現した.近医にて加療したが,増悪,寛解を繰り返していた.2010年3月当科を紹介され受診した.口腔内症状のさらなる悪化を認め,同年4月当科に入院した.症例2:67歳,女性.初診の約1年前から頭皮に3cm大のびらんがあった.2010年4月頃より外陰部にびらん,嗄声が出現した.食事摂取不良によって体重減少も認めていたため,同年6月当院を紹介され受診し,緊急入院した.両症例とも,中等量のステロイド投与(プレドニゾロン20mg/日)を開始し,早期より大量γグロブリン静注療法(intravenous immunoglobulin:IVIG療法)も併用した.IVIG療法後,速やかに口腔内潰瘍の改善を認め,食事摂取も可能となった.早期のIVIG療法の併用によって,中等量のステロイド内服にてコントロールでき,副作用の軽減,入院期間の短縮につながった.早期からのIVIG併用療法は今後の尋常性天疱瘡治療の助けとなると考えられた.
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