Japanese
English
症例報告
ステロイドパルス・大量免疫グロブリン療法が奏効した高齢者重症尋常性天疱瘡の1例
A case of the severe pemphigus vulgaris in elderly person successfully treated with methylprednisolone pulse and high dosage intravenous immunoglobulin therapy
甲田 とも
1
,
高江 雄二郎
1
,
小林 彩華
1
,
中村 善雄
1
,
田村 舞
1
,
谷川 瑛子
1
,
石河 晃
1
,
天谷 雅行
1
Tomo KOHTA
1
,
Yujiro TAKAE
1
,
Ayaka KOBAYASHI
1
,
Yoshio NAKAMURA
1
,
Mai TAMURA
1
,
Akiko TANIKAWA
1
,
Akira ISHIKO
1
,
Masayuki AMAGAI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
高齢者
,
ステロイドパルス療法
,
大量免疫グロブリン療法
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
高齢者
,
ステロイドパルス療法
,
大量免疫グロブリン療法
pp.593-597
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102997
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要約 90歳,女性.2009年3月頃より全身と口腔内に水疱とびらんを認めた.同年4月他院で尋常性天疱瘡と診断された.ステロイドミニパルス療法後,PSL 50mg/日投与されるも水疱が新生するため,5月当科に転院した.口腔内と全身に大型びらんが多発癒合し,天疱瘡重症度スコア(PDAI)は121点で,ELISA index値は抗Dsg1抗体670.9,抗Dsg3抗体1,190.0であった.高齢かつ重症で治療選択に苦慮したが,ステロイドパルスと大量免疫グロブリン療法後,PSL 50mg/日投与にて加療した.急速にびらんの縮小とELISA値改善を認め,治療開始2か月後にはびらんは上皮化,ELISA値も陰性化した.大量免疫グロブリン療法は血栓塞栓症などの合併症に十分注意して行えば,感染リスクの高い高齢天疱瘡患者の治療において,有用な選択肢となりうる.
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