症例
インフリキシマブ投与開始後に自己免疫性肝炎を発症した尋常性乾癬の1例
江原 佳恵
1
,
梅垣 知子
1
,
種瀬 啓士
1
,
高江 雄二郎
1
,
中本 伸宏
2
,
天谷 雅行
1
1慶應義塾大学,皮膚科学教室(主任:天谷雅行教授)
2同,消化器内科
キーワード:
尋常性乾癬
,
生物学的製剤
,
シクロスポリン
,
インフリキシマブ
,
自己免疫性肝炎
Keyword:
尋常性乾癬
,
生物学的製剤
,
シクロスポリン
,
インフリキシマブ
,
自己免疫性肝炎
pp.1721-1724
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000249
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44歳,男性。尋常性乾癬に対してシクロスポリンが著効していたが,高尿酸血症が遷延していた。インフリキシマブを導入し,3回投与後にシクロスポリンを終了した。投与5回目頃より肝機能異常が出現,IgG高値となり,抗核抗体が陽転化した。肝生検で門脈域のリンパ球・形質細胞優位の細胞浸潤を認め,自己免疫性肝炎と診断した。ステロイド内服投与を開始し,速やかに肝機能は改善した。自験例の自己免疫性肝炎発症機序として,乾癬に合併していた自己免疫性肝炎がシクロスポリンにより抑制されていた可能性と,インフリキシマブが誘因となり自己免疫性肝炎を発症した可能性が考えられた。
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