Japanese
English
症例報告
末梢性顔面神経麻痺を併発し,皮疹にタクロリムス外用が奏効したびまん浸潤型皮膚サルコイドの1例
A case of diffuse infiltrative cutaneous sarcoid with peripheral facial palsy which cutaneous lesions were successfully treated with topical tacrolimus
小幡 祥子
1
,
伊勢 美咲
1
,
安田 文世
1
,
木花 いづみ
1
,
栗原 誠一
2
Shoko OBATA
1
,
Misaki ISE
1
,
Fumiyo YASUDA
1
,
Izumi KONOHANA
1
,
Seiichi KURIHARA
2
1平塚市民病院皮膚科
2湘南皮膚科
1Division of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
2Shonan Dermatology Clinic, Hiratsuka, Japan
キーワード:
皮膚サルコイド
,
Heerfordt症候群
,
タクロリムス
Keyword:
皮膚サルコイド
,
Heerfordt症候群
,
タクロリムス
pp.384-388
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204453
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要約 65歳,女性.初診の2か月前から顔面に自覚症状のない紅斑が出現し,2日前から右閉眼困難,口角下垂を自覚していた.初診時,前額部,頰部,下顎部に左右対称に分布する浸潤性紅斑があり,病理組織像で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を確認した.他臓器に病変はなく,各種検査に異常を認めず,びまん浸潤型皮膚サルコイドと診断した.顔面神経麻痺に対し,プレドニゾロン最大60mg/日短期投与を行い,麻痺は約2か月で軽快したが,皮疹には無効だった.タクロリムス軟膏外用が奏効した.顔面神経麻痺,ぶどう膜炎,耳下腺腫脹を3徴候とするHeerfordt症候群には当てはまらないが,時期を違えて他の徴候が出現する可能性もあると考えた.サルコイドーシスの皮疹に対しタクロリムス軟膏が奏効した既報告例は,本邦でも散見されており,ステロイド外用や光線療法無効例には治療の選択肢の1つとなりうると考えた.
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