Japanese
English
症例報告
自然軽快したlichen planus pigmentosus-inversusの1例
A case of spontaneously resolved lichen planus pigmentosus-inversus
小幡 祥子
1
,
伊勢 美咲
1
,
安田 文世
1
,
木花 いづみ
1
Shoko OBATA
1
,
Misaki ISE
1
,
Fumiyo YASUDA
1
,
Izumi KONOHANA
1
1平塚市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
キーワード:
lichen planus pigmentosus-inversus
,
非露光間擦部
,
メラノファージ
Keyword:
lichen planus pigmentosus-inversus
,
非露光間擦部
,
メラノファージ
pp.211-215
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103911
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要約 81歳,女性.2011年8月頃から腋窩,乳房下,鼠径部など,体幹の間擦部に多発する掻痒を伴わない褐色斑を自覚した.皮疹に先行する薬剤歴はなく,HCV抗体陰性,金属パッチテストも陰性だった.病理組織所見では,軽度の液状変性と真皮浅層の帯状のリンパ球主体の炎症細胞浸潤,多数のメラノファージを認めた.皮疹の分布,病理組織学的所見からlichen planus pigmentosus-inversusと診断した.フルオシノニド外用を1か月続けたが皮疹は改善しなかったため中止した.中止2週間後の受診時に退色傾向を認め,約4か月が経過した現在も無治療のままさらに退色傾向にある.本症では,古典的lichen planusと比較し炎症反応の持続性の欠如が指摘されている.本症の発症,増悪にはKöbner現象が関与している可能性がある.自験例の経過から,外的刺激を減らすよう指導しつつ,未治療で自然経過観察することも治療の選択肢の1つとなりうると考えた.
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