Japanese
English
症例報告
腋窩に初発し,顔面にも生じた偽リンパ腫の1例
A case of pseudolymphoma of the skin primarily arose at axilla and spread to face
伊勢 美咲
1
,
安田 文世
1
,
木花 いづみ
1
Misaki ISE
1
,
Fumiyo YASUDA
1
,
Izumi KONOHANA
1
1平塚市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Hiratsuka city Hospital, Hiratsuka, Japan
キーワード:
偽リンパ腫
,
B細胞性リンパ腫
,
形質細胞増多症
,
腋窩
,
顔面
Keyword:
偽リンパ腫
,
B細胞性リンパ腫
,
形質細胞増多症
,
腋窩
,
顔面
pp.263-268
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103921
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要約 47歳,女性.既往にアルコール性肝障害がある.約1年前より左腋窩の赤褐色局面を自覚し,徐々に拡大したため受診した.15×30mm大,境界明瞭でなだらかに隆起し,皮下まで軟らかい浸潤のある局面で,軽度の圧痛を伴った.右腋窩にも,軽微だが同様の変化を認めた.表在リンパ節は触知しなかった.生検で,真皮全層から皮下に巣状の細胞浸潤を認めた.浸潤細胞は異型性のないリンパ球と形質細胞よりなり,濾胞様構造を形成していた.CD20陽性細胞は濾胞中心に,CD3陽性細胞は濾胞辺縁に目立っていた.IgG,IgM,IgA染色,κ鎖,λ鎖染色により,形質細胞は,多クローン性の増生と判断した.血液検査ではIgE 878mg/dl,IgA 623mg/dlと上昇していたが,その他の全身精査で特記すべき異常はなかった.初診後1年以上経過してから,顔面に赤褐色局面が多発,同様の組織像と染色形態を示した.偽リンパ腫と診断したが,皮膚B細胞性リンパ腫や形質細胞増多症も鑑別に考えた.
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