Japanese
English
症例報告
足底に生じた表在型基底細胞癌の1例
A case of superficial basal cell carcinoma on the sole
吉田 憲司
1
,
林 健
2
,
関東 裕美
1
,
石河 晃
1
Kenji YOSHIDA
1
,
Ken HAYASHI
2
,
Hiromi KANTOU
1
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
2東京労災病院皮膚科
1Department of Dermatology, School of medicine, Toho University(Omori), Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Tokyo Rousai Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
足底
,
表在型基底細胞癌
,
エクリン汗腺
,
発生母地
,
ダーモスコピー
Keyword:
足底
,
表在型基底細胞癌
,
エクリン汗腺
,
発生母地
,
ダーモスコピー
pp.239-244
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103566
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要約 85歳,女性.約20年前,左足底に外傷を負った後,同部位に褐色皮疹が出現し,徐々に拡大したため当科を受診した.左足底中央に11×17mm大の境界明瞭,辺縁褐色調の不整形斑を認めた.ダーモスコピーでは,spoke-wheel areas,blue-gray globules,血痂,whitish areaを認めたが,arborizing vesselsはなかった.病理組織では表皮と連続して下方に突出する基底細胞様細胞からなる小型の腫瘍胞巣を真皮上層に認め,palisading,裂隙形成を認め表在型基底細胞癌と診断した.本邦においてこれまでに足底に生じた基底細胞癌は11例の報告のみで,発生部位として稀である.自験例では本来,毛包の存在しない足底に生じ,腫瘍細胞の一部とエクリン汗管との連続性を認める部位があった.また,免疫染色でBer-EP4陽性,CK10陰性,CAM5.2陽性と一般的な基底細胞癌とは異なる所見を呈したことは,足底基底細胞癌の発生母地を考えるうえで興味深い所見と考えた.
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