症例
偽リンパ腫様の外観を呈した皮膚線維腫の1例
吉池 沙保里
1
,
加藤 峰幸
,
大山 学
1杏林大学 皮膚科学教室
キーワード:
顔面腫瘍
,
皮膚疾患-顔面
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
偽リンパ腫
,
組織球腫-良性線維性
,
皮膚外科
Keyword:
Facial Dermatoses
,
Facial Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Skin Neoplasms
,
Histiocytoma, Benign Fibrous
,
Pseudolymphoma
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.1877-1880
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017081159
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62歳女。左頬部の紅色結節を主訴とした。約2週間前より主訴が出現し、紹介受診時には左頬部に下床と可動性良好で皮膚と癒着した紅色結節(9×7×3mm大)を認め、ダーモスコピー所見では腫瘍辺縁に毛細血管拡張がみられた。臨床所見から偽リンパ腫を考えたが、病理組織学的所見では真皮浅層から深層にかけて紡錘形から類円形の核を持つ腫瘍細胞が密に増生し、特殊染色ではCD34陰性、VIII因子陽性で、腫瘍巣内は細胞成分が優位であった。皮膚線維腫(cellular type)と診断して単純切除を行い、術後6ヵ月現在、局所再発なく経過良好である。自験例では表皮基底層のメラニン色素の増強が乏しく、毛細血管の拡張と増生がみられたため、紅色調の強い偽リンパ腫様の外観を呈したと考えられた。
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