Japanese
English
症例報告
瘢痕化扁平型基底細胞癌の1例
A case of epithelioma planum cicatricans
岩渕 千雅子
1
,
荻原 護久
1
,
大橋 則夫
1
,
関東 裕美
1
,
伊藤 正俊
1
,
林 健
2
,
石河 晃
1
Chikako IWABUCHI
1
,
Morihisa OGIWARA
1
,
Norio OHASHI
1
,
Hiromi KANTO
1
,
Masatoshi ITOH
1
,
Ken HAYASHI
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科学第一講座
2東京労災病院皮膚科
11st Department of Dermatology,Toho University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Division of Dermatology,Tokyo Rosai Hospital,Tokyo,Japan
キーワード:
瘢痕化扁平型基底細胞癌
,
線維化
,
自然消退
,
CD4陽性T細胞
Keyword:
瘢痕化扁平型基底細胞癌
,
線維化
,
自然消退
,
CD4陽性T細胞
pp.145-148
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102811
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要約 79歳,男性.5年前から鼻根部に淡褐色斑が出現した.自覚症状はなく,数年で周辺に向かい徐々に拡大した.初診時,鼻根部に菱形の萎縮性瘢痕局面と,周囲を縁取りして粟粒大の黒色丘疹とびらんを認めた.病理組織像では,病巣中央部は線維化し,辺縁部は充実型の基底細胞癌の像を示した.瘢痕化扁平型基底細胞癌と診断したが,この病型はまれで,診断されるまで数か月あるいは数年を要し,病初期には非腫瘍性疾患と誤診されやすい.臨床上,中央部が瘢痕化し,周囲に結節病巣が残り拡大する基底細胞癌の特殊な病型を認識することは,重要と考えた.
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