Japanese
English
症例報告
抗デスモグレイン3抗体および抗デスモコリン3IgG抗体陽性の尋常性天疱瘡の1例
A case of pemphigus vulgaris with anti-desmoglein 3 and anti-desmocollin 3 IgG-antibodies
船津 栄
1
,
宮田 聡子
1
,
石井 文人
2
,
橋本 隆
2
Sakae FUNATSU
1
,
Toshiko MIYATA
1
,
Norito ISHII
2
,
Takashi HASHIMOTO
2
1独立行政法人国立病院機構横浜医療センター皮膚科
2久留米大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, National Hospital Organization Yokohama Medical Center, Yokohama, Japan
2Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
抗デスモグレイン3抗体
,
抗デスモコリン3抗体
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
抗デスモグレイン3抗体
,
抗デスモコリン3抗体
pp.193-198
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204345
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要約 49歳,女性.初診の1年前より口内炎が出現した.口内炎の増悪とともに,四肢体幹に紅斑が出現したため受診した.口腔内に多発するびらんは,組織学的に粘膜上皮基底細胞直上での棘融解を認め,蛍光抗体間接法で抗表皮細胞間抗体IgGが160倍で陽性,ELISA法で抗デスモグレイン3抗体陽性であり,尋常性天疱瘡と診断した.一方,体幹四肢には小豆大までの浸潤を軽度触れる不整形,紅色〜淡褐色の掻痒感を伴う紅斑が散在し,紅斑の一部には点状のびらん,痂皮を伴っていた.組織学的に真皮上層にリンパ球および好酸球の浸潤を認め,好酸球は表皮内にも遊走していた.自験例は粘膜優位型尋常性天疱瘡の患者に,特異な紅斑を生じた症例である.抗デスモグレイン3抗体に加えて,抗デスモコリン3抗体も陽性であり,稀な症例と考えられた.好酸球浸潤は抗デスモコリン3抗体陽性天疱瘡の特徴の1つである可能性が示唆された.
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