Japanese
English
症例報告
右臀部から下肢のみに皮疹を認めた色素失調症の男児例
A male infantile case of incontinentia pigmenti on right buttock to lower leg
大竹 映香
1
,
伊藤 恵子
1
,
森丘 千夏子
2
,
箕面崎 至宏
2
Eika OTAKE
1
,
Keiko ITO
1
,
Chikako MORIOKA
2
,
Yoshihiro MINOSAKI
2
1川口市立医療センター皮膚科
2川口市立医療センター新生児集中治療科
1Division of Dermatology, Kawaguchi Municipal Medical Center, Kawaguchi, Japan
2Neonatal Intensive Care Unit, Kawaguchi Municipal Medical Center, Kawaguchi, Japan
キーワード:
色素失調症
,
男児
,
片側性
,
限局性
Keyword:
色素失調症
,
男児
,
片側性
,
限局性
pp.188-192
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204344
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要約 日齢1,男児.在胎41週自然分娩.出生時から認める皮疹を主訴に当科を受診した.右下肢後面に,列序性に配列する紅斑,落屑を認めた.皮疹は徐々に,黄色痂皮,紅色丘疹,小水疱が混在し,Blaschko線に一致した.水疱内容のギムザ染色では,多数の好酸球がみられた.病理組織学的所見では水疱内に著明な好酸球浸潤を伴う表皮内水疱を認めた.以後皮疹の新生はなく,白色ワセリン外用で1か月後に色素沈着となった.Blaschko線に沿った特徴的な皮疹と経過,ギムザ染色の水疱内容所見,病理組織学的所見より,色素失調症と診断した.頭部MRIおよび脳波に異常なく,眼内異常所見も認めなかった.性染色体は46XYであった.色素失調症はX染色体優性遺伝で,通常は女児に発症するが,男児例の報告もある.男児例では自験例のように皮疹が片側性や限局性であり,合併症も少ないことが多いとされている.
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