今月の主題 自己免疫疾患の診断
各論―抗体と疾患
抗デスモグレイン抗体と天疱瘡
石井 健
1
Ken ISHII
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科
キーワード:
天疱瘡
,
デスモグレイン
,
ELISA
Keyword:
天疱瘡
,
デスモグレイン
,
ELISA
pp.519-524
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101595
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天疱瘡(pemphigus)は,皮膚,粘膜の水疱,びらんを主徴とする臓器特異的自己免疫疾患である.表皮細胞間の接着が障害された結果,表皮,あるいは,粘膜上皮内に水疱が形成される.天疱瘡患者血清中には,IgGクラスの表皮細胞膜表面に対する自己抗体が存在し,その標的抗原は,細胞接着分子であるデスモグレイン1(Dsg1)およびデスモグレイン3(Dsg3)である.近年,血清中の自己抗体検出を目的として,組換えDsg1,Dsg3蛋白を用いたELISA法が開発され,天疱瘡の診断,病型分類,病勢の評価に利用されている.
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