Japanese
English
症例
寛解期に抗デスモグレイン3抗体が高値持続した尋常性天疱瘡の1例
Pemphigus vulgaris with persistent high anti-desmoglein 3 autoantibody titers in remission
瀧脇 道弘
1
,
米井 希
1
Michihiro TAKIWAKI
1
,
Nozomi YONEI
1
1公立那賀病院,皮膚科(主任:米井 希科長)
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
抗デスモグレイン3抗体
,
分子内エピトープ拡大
,
非病原性自己抗体
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
抗デスモグレイン3抗体
,
分子内エピトープ拡大
,
非病原性自己抗体
pp.2032-2035
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004313
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74歳,女性。数年前から認める右鼠径部の疣状扁平結節で初診した。1カ月後,口腔内びらんや体幹,鼠径部に水疱を伴う小紅斑が多発してきた。腹部からの生検にて基底層直上に表皮内水疱を認め,抗デスモグレイン3抗体価が高値であったため,尋常性天疱瘡と診断した。右鼠径部疣状結節は擦過刺激により増殖性天疱瘡の像を呈したと考えた。プレドニゾロン20mgにて治療を開始し,抗体価は漸減し寛解に至ったが,治療途中から抗体価は上昇し,1,000U/ml以上で持続した。抗体価と臨床症状が乖離した機序については,分子内エピトープ拡大により病原性自己抗体から非病原性自己抗体へと変化した可能性が指摘されているが,否定的な報告もみられる。
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