Japanese
English
症例報告
皮下深部解離性血腫の4例
Four cases of deep dissecting hematoma
佐藤 純子
1
,
渡邊 淑識
1
,
近藤 佐知子
1
,
木藤 悠子
1
,
泉 祐子
1
,
高木 奈緒
1
,
上出 良一
1
Junko SATO
1
,
Yoshinori WATANABE
1
,
Sachiko KONDO
1
,
Yuko KITO
1
,
Yuko IZUMI
1
,
Nao TAKAGI
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科
1Department of Dermatology, Daisan Hospital, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
皮下深部解離性血腫
,
deep dissecting hematoma
,
高齢者
,
皮膚萎縮
,
皮膚粗鬆症
Keyword:
皮下深部解離性血腫
,
deep dissecting hematoma
,
高齢者
,
皮膚萎縮
,
皮膚粗鬆症
pp.149-154
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204307
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要約 高齢者では皮膚,皮下組織が萎縮して脆弱となり,軽微な外力により,容易に皮下脂肪織と筋膜の間で皮下深部解離性血腫(deep dissecting hematoma)と呼ばれる巨大な血腫を生じる.今回われわれは,97歳男性,81歳女性,91歳女性,82歳女性の下腿に生じた巨大皮下血腫を経験した.全症例が抗凝固薬か抗血小板薬を内服中で,打撲,転倒を確認できた症例と,覚えがなく症状を生じた症例があった.初診時皮膚表面に溢血斑を持つ例と,目立った外傷が見られない例がある.単なる打撲,蜂窩織炎などの診断で切開,血腫除去が遅れると,広汎な皮膚壊死を生じるため,皮膚の腫大が認められるときは,早期に筋膜上まで積極的に切開して血腫を除去し,皮膚壊死を防ぐことが大切である.
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