Japanese
English
症例報告
Panton-Valentine leukocidin産生黄色ブドウ球菌による皮膚感染症の5例
Five cases of skin infection due to Panton-Valentine leukocidin-producing Staphylococcus aureus
木藤 悠子
1
,
近藤 佐知子
1
,
泉 祐子
1
,
高木 奈緒
1
,
片山 宏賢
1
,
河野 緑
2
,
上出 良一
1
Yuko KITOH
1
,
Sachiko KONDOU
1
,
Yuko IZUMI
1
,
Nao TAKAGI
1
,
Yasuhiro KATAYAMA
1
,
Midori KONO
2
,
Ryoichi KAMIDE
1
1東京慈恵会医科大学附属第三病院皮膚科
2東京慈恵会医科大学臨床検査医学
1Department of Dermatology, Daisan Hospital, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Laboratory Medicine, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
黄色ブドウ球菌
,
Panton-Valentine leukocidin
,
菌外毒素
,
皮膚細菌感染症
Keyword:
黄色ブドウ球菌
,
Panton-Valentine leukocidin
,
菌外毒素
,
皮膚細菌感染症
pp.796-800
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104125
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要約 Panton-Valentine leukocidin(PVL)は黄色ブドウ球菌が産生する菌体外毒素の一種で,白血球破壊毒素である.重症の膿瘍との関係が示唆されている.感染は基礎疾患のない比較的若年者に多く,ほとんどが皮膚軟部組織から検出される.当科では2011年9月~2012年5月に5例のPVL陽性黄色ブドウ球菌による皮膚感染症を経験した.患者は25~47歳で,基礎疾患はなく,膿瘍3例,蜂窩織炎2例から検出され,5例中2例は再発を繰り返していた.また,メチシリン感受性黄色ブドウ球菌2例,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌3例であった.本邦でもPVL産生黄色ブドウ球菌による感染の報告が増加しつつあり,流行の拡大を防ぐべく,皮下膿瘍や癤・癰などで,症状が強い,もしくは再燃を繰り返す場合は,PVL産生黄色ブドウ球菌を念頭に置き,治療にあたる必要がある.
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