Japanese
English
症例報告
ワルファリンカリウム内服中に抗菌薬を投与され左下腿内側のdeep dissecting hematomaによる出血性ショックをきたした1例
A case of hemorrhagic shock caused by deep dissecting hematoma of the left lower leg after administrating an antibiotic with warfarin potassium in combination
小熊 玲奈
1
,
稲福 和宏
1
,
竹下 郁伶
1
Rena OGUMA
1
,
Kazuhiro INAFUKU
1
,
Ikurei TAKESHITA
1
1国保直営総合病院君津中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kimitsu Chuo Hospital, Kisarazu, Japan
キーワード:
皮膚粗鬆症
,
dermatoporosis
,
深在性解離血腫
,
deep dissecting hematoma
,
出血性ショック
Keyword:
皮膚粗鬆症
,
dermatoporosis
,
深在性解離血腫
,
deep dissecting hematoma
,
出血性ショック
pp.667-672
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205814
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要約 85歳,女性.難治性両下腿浮腫に対し,深部静脈血栓症予防目的にワルファリンカリウムを内服していた.当科受診4日前に増悪した右足背の腫脹・滲出液に対し,前医にて蜂窩織炎の診断となり,セフカペンピボキシル塩酸塩水和物の内服が開始された.当科受診当日,左下腿に腫脹と疼痛を自覚し救急要請した.搬送中に同部の急激な増大と皮膚の破裂をきたし,出血性ショックとなった.当院到着後,救急救命科により初期蘇生された.CT画像所見において出血部位の皮下に巨大血腫が確認された.保存的加療により血腫直上の皮膚は壊死となり,治療として外科的デブリードマンによる血腫除去術と分層植皮術を施行した.自験例を深在性解離血腫(deep dissecting hematoma:DDH)と診断した.DDHは初期には丹毒や蜂窩織炎と認識されることが多く,診断には出血素因,内服歴などの問診や皮膚脆弱性の観察が重要である.治療では血腫除去が遅れると広範な皮膚壊死をきたすため,早期に外科的処置による血腫除去が望まれる.
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