Japanese
English
症例報告
皮下深部解離性血腫の3例
Three cases of deep dissecting hematoma
小倉 康晶
1
,
森本 広樹
1
,
鶴見 由季
1
,
大塚 正樹
1
,
島内 隆寿
2
,
戸倉 新樹
3
Yasuaki OGURA
1
,
Hiroki MORIMOTO
1
,
Yuki TSURUMI
1
,
Masaki OTSUKA
1
,
Takatoshi SHIMAUCHI
2
,
Yoshiki TOKURA
3
1中東遠総合医療センター皮膚科
2浜松医科大学皮膚科学講座
3浜松医科大学細胞分子解剖学
1Division of Dermatology, Chutoen General Medical Center, Kakegawa, Japan
2Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu, Japan
3Department of Cellular and Molecular Anatomy, Hamamatsu University School of Medicine, Hamamatsu, Japan
キーワード:
皮下深部解離性血腫
,
deep dissecting hematoma
,
抗凝固薬
,
ステロイド
,
dermatoporosis
Keyword:
皮下深部解離性血腫
,
deep dissecting hematoma
,
抗凝固薬
,
ステロイド
,
dermatoporosis
pp.13-18
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206554
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要約 症例1:60歳,女性,症例2:61歳,女性,症例3:67歳,女性.3例とも軽微な外傷を契機に広範な血腫を生じ,皮下深部解離性血腫(deep dissecting hematoma:DDH)と診断した.症例3は早急に治療介入し得たが,他の2例は他科にて一定期間フォローされていたため当科での治療介入が遅れた.2例はDDHのリスク因子である抗凝固薬やステロイドを内服していた.治療介入が遅れた症例1に関しては,陰圧閉鎖療法,分層植皮術を行い,治癒まで長期間を要した.対して早急に治療介入した例では皮膚壊死を認めず,その後の経過も良好であった.DDHは皮膚の脆弱性と皮膚機能不全を示すdermatoporosisの最重症型であり,早急に適切な治療を行うことが予後に直結する.自験3例の経験から,DDHに対しては早期対応が必要であり,外科的処置が重要であることを改めて認識した.皮膚科領域での救急疾患の1つであることを,救急に携わる医師へ認知させることが必要と考えた.
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