Japanese
English
症例報告
皮膚石灰沈着症の1例
A case of calcinosis cutis
市原 美里
1
,
舟橋 美雪
2
,
米田 和史
2
,
藤澤 百合子
3
Misato ICHIHARA
1
,
Miyuki FUNABASHI
2
,
Kazufumi YONEDA
2
,
Yuriko FUJISAWA
3
1刈谷総合病院皮膚科
2岐阜市民病院皮膚科
3岐阜大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Kariya Sougou Hospital
2Department of Dermatology, Gifu City Hospital
3Department of Dermatology, Gifu University of Medicine
キーワード:
皮膚石灰沈着症
,
表皮嚢腫
,
シェーグレン症候群
Keyword:
皮膚石灰沈着症
,
表皮嚢腫
,
シェーグレン症候群
pp.723-725
発行日 1996年8月1日
Published Date 1996/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901951
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49歳,女性.右膝関節近傍に自覚症状のない一部黄色調を呈する淡紅色半球状腫瘤が出現.切除組織のHE染色とコッサ染色,石灰分析の結果から表皮嚢腫を合併した皮膚石灰沈着症と診断した.血中カルシウム,リンの値は正常であったが,各種検査結果よりシェーグレン症候群の合併を疑わせた.3ヵ月後に右足関節伸側,左足関節伸側,左下腿屈側の計3ヵ所に下床との可動性良好な弾性硬の皮下小結節に気づき,3ヵ所とも切除を行った.組織はmobile encapsulated lipoma(以下MEL)とその二次的な石灰化を疑わせる所見であった.また同時に行った石灰分析にてリン酸カルシウムと炭酸カルシウムの混合物が検出された.本症例に関しては表皮嚢腫,MELに二次的な石灰化を来し,また要因としてシェーグレン症候群の存在した可能性が考えられた.
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