Japanese
English
症例報告
全身性エリテマトーデスに合併した栄養障害性皮膚石灰沈着症の1例
A case of dystrophic calcinosis cutis in a case of systemic lupus erythematosus
若林 亜希子
1
,
種瀬 啓士
1
,
山本 晃三
1
,
宮川 俊一
1
,
美田 誠二
2
Akiko WAKABAYASHI
1
,
Keiji TANESE
1
,
Kozo YAMAMOTO
1
,
Shunichi MIYAKAWA
1
,
Seiji MITA
2
1川崎市立川崎病院皮膚科
2川崎市立川崎病院内科
1Division of Dermatology,Kawasaki Municipal Hospital,Kawasaki,Japan
2Division of Internal Medicine,Kawasaki Municipal Hospital,Kawasaki,Japan
キーワード:
石灰沈着症
,
栄養障害性
,
全身性エリテマトーデス
,
脂肪壊死
Keyword:
石灰沈着症
,
栄養障害性
,
全身性エリテマトーデス
,
脂肪壊死
pp.402-406
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102628
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要約 61歳,女性.全身性エリテマトーデスにて加療中.初診の約1年前より左前腕伸側に出現した硬い索状の皮下腫瘤と前腕近位端の柔らかく触れる皮下腫瘤を主訴に受診.X線写真上,左前腕の皮下硬結部に一致して明瞭な石灰沈着像を認めた.肘頭部の柔らかい皮下腫瘤を切開したところ,内部より乳白色調のクリーム状,チョーク状物質が排出した.病理組織学的には皮下脂肪織を置換するようにして,好塩基性に染まる無構造物質の沈着を認め,石灰沈着症と診断した.血清カルシウム,リン値は正常であり,本症例を全身性エリテマトーデスに伴う栄養障害性皮膚石灰沈着症と診断した.本症例では,外的刺激および慢性炎症による脂肪壊死を契機として石灰沈着が生じたと考えた.
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