Japanese
English
症例報告
丘疹・結節状ムチン沈着(Gold)を伴った全身性エリテマトーデス
Systemic Lupus Erythematosus with Papular and Nodular Mucinosis of Gold
谷 昌寛
1
,
村田 洋三
1
Masahiro TANI
1
,
Yozo MURATA
1
1神戸大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
全身性エリテマトーデス
,
丘疹・結節状ムチン沈着
,
ムチン沈着
Keyword:
全身性エリテマトーデス
,
丘疹・結節状ムチン沈着
,
ムチン沈着
pp.887-890
発行日 1990年8月1日
Published Date 1990/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900168
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
39歳,男性.全身性エリテマトーデス(SLE)の経過中にSLE症状の増悪とともに顔面・胸部・上背部に丘疹および結節が生じてきた.丘疹および結節の表面皮膚は常色ないし淡紫紅色を呈し,病理組織学的には真皮にピアルロン酸を主成分とする大量のムチンの沈着を認めた.蛍光抗体直接法による検索にて,basement mem-brane zoneに一致して免疫グロブリンおよび補体成分の帯状の沈着を認めるとともに,真皮のムチン沈着部位に一致して上記免疫グロブリンおよび補体成分の膠原線維間への沈着を認めた.ステロイド剤の増量によりこれらのムチン沈着はすみやかに消退した.自験例のムチン沈着をSLEの皮膚症状の一つと考えた.ムチン沈着部位の膠原線維間に免疫グロブリンおよび補体成分の沈着を認めたことは本症におけるムチン沈着機序を解明する上で興味深いと考えられる.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.