Japanese
English
原著
鉄キレート剤が有効であった晩発性皮膚ポルフィリン症—ポルフィリン異常との関連
Porphyria Cutanea Tarda Improved with Ironchelating Agent--With a Reference to Porphyrin Abnormalities
秋元 幸子
1
,
石川 治
1
,
石川 英一
1
Sachiko AKIMOTO
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
,
Hidekazu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
晩発性皮膚ポルフィリン症
,
鉄キレート剤(デスフェロキサミン)
,
ウロポルフィリン
,
高速液体クロマトグラフィー
Keyword:
晩発性皮膚ポルフィリン症
,
鉄キレート剤(デスフェロキサミン)
,
ウロポルフィリン
,
高速液体クロマトグラフィー
pp.227-233
発行日 1989年3月1日
Published Date 1989/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204057
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鉄キレート剤による治療が著効した晩発性皮膚ポルフィリン症の1例を報告した.尿,糞便中のポルフィリンを,高速液体クロマトグラフィーを用い定量分析した結果,尿中ではuroporphyrin, heptacarboxylic porphyrinの著明な増加を認めた,Co-proporphyrinは,総量としては正常範囲内であったが,Ⅰ型異性体が増加していた.便においては,総ポルフィリンの排泄増加があり,特にcoproporphyrinⅢ型異性体が増量していた.これらのポルフィリンは,血清鉄の低下,症状の軽快とともに減少した.本例では赤血球中uroporphyrinogen decarboxylase活性の減少はなかった.モノクロメーターを用いた光線検査では,治療前に400nmでMEDの低下が認められたが,治療後は改善した.
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