Japanese
English
症例報告
晩発性皮膚ポルフィリン症の1例
A case of porphyria cutanea tarda
福島 彩乃
1
,
小幡 祥子
1
,
市村 佳子
1
,
藤尾 由美
1
,
木花 いづみ
1
Ayano FUKUSHIMA
1
,
Shoko OBATA
1
,
Yoshiko ICHIMURA
1
,
Yumi FUJIO
1
,
Izumi KONOHANA
1
1平塚市民病院皮膚科
1Divsion of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
キーワード:
晩発性皮膚ポルフィリン症
,
飲酒
,
瘢痕
,
瀉血
,
Wood灯
Keyword:
晩発性皮膚ポルフィリン症
,
飲酒
,
瘢痕
,
瀉血
,
Wood灯
pp.491-496
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204479
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要約 66歳,男性.アルコール多飲歴あり.夏に頭や手にびらんが出現し,抗生剤やステロイド剤外用で改善しなかった.露出部皮膚は赤銅色を呈し,頭頂部や顔面,手背に水疱やびらんが多発し,頭頂部では色素脱失や脱毛を伴う瘢痕が目立った.尿は赤色尿を呈しWood灯下で赤色に蛍光を発し,肝機能障害とフェリチン高値,尿中コプロポルフィリンとウロポルフィリンの上昇を認めた.病理組織像で表皮下水疱,真皮血管壁にPAS染色陽性の沈着物を認めた.晩発性皮膚ポルフィリン症と診断し,禁酒,遮光,瀉血療法を行いびらんは上皮化したが,頭頂部では瘢痕が残り再発毛を認めなかった.本症ではポルフィリン体の光毒性反応による局所の炎症,血管障害,膠原線維への直接作用で多彩な皮膚症状を呈する.慢性期の瘢痕,皮膚硬化は不可逆性病変となるため早期の診断が重要である.本症が疑われる際は尿の目視やWood灯によるスクリーニング検査が有用である.
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