Japanese
English
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晩発性皮膚ポルフィリン症について
ON PORPHYRIA CUTANEA TARDA
高橋 吉定
1
,
吉田 慶行
1
,
稲城 矩実
1
Yosisada TAKAHASHI
1
,
Yoshiyuki YOSHIDA
1
,
Norimi INAKI
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.1007-1013
発行日 1961年12月1日
Published Date 1961/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203185
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I.緒言
19世紀末期から20世紀初期にかけて,Bazin,Güntherらが種痘様水疱性の一部の患者の尿に多量のポルフィリン(以下P.と略)を証明した。更に,Hans Fischerの業績によつてP.は人工的P.と自然的P.に2大別された。引き続いてFischerおよびO.SchummらによつてUroporphyrin(以下Urop.と略)とCoproporphyrin (以下Coprop.と略)の存在が確立し,ポルフィリン症なる疾患名が提示された。ポルフィリン症はPy-rrol代謝異常によりP.の多量を尿に排泄する稀有な疾患であり,先天性,晩発性および急性の3型に大別されている。そのうち先天性ポルフィリン症は最も稀であるが,本邦においては1919年佐藤・高橋1)によつて始めて2報告されて以来,その後も時々その症例を見ている2)〜8)。しかし先天性ポルフィリン症と同じく皮膚に顕著な症状を有する晩発性皮膚ポルフィリン症Pophyria cuta-nae tarda9)に関しては,本邦ではまだその詳細な報告あるを知らない。昭和32年11月顔面の粉瘤腫の摘出を希望して当科外来を訪れた男子に本症を認めたのでここに報告する。
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