Japanese
English
原著
色素性乾皮症の1例—剖検所見を含めて
A Case of Xeroderma Pigmentosum with Autopsy Findings
早川 和人
1
,
小松 威彦
1
,
西川 武二
1
,
栗原 誠一
2
,
細田 泰弘
3
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Takehiko KOMATSU
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
,
Seiichi KURIHARA
2
,
Yasuhiro HOSODA
3
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
2済生会横浜市南部病院皮膚科
3慶応義塾大学医学部病理学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Division of Dermatology, Saiseikai Yokohama Nanbu Hospital
3Department of Pathology, Keio University School of Medicine
pp.201-205
発行日 1987年3月1日
Published Date 1987/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203619
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色素性乾皮症A群と考えられた1女子例につき,約17年間の長きに亘り加療,経過観察を行い,死後剖検する機会を得たので報告すると共に若干の考按を加えた.本例は乳児期に光線過敏症にて発症,小児期より顔面に基底細胞上皮腫の多発を認め,23歳にて左頬部に悪性黒色腫が出現,26歳にて死亡した.多彩な神経症状の他,身体,性腺発育不全を有し,最終的にde Sanctis-Cacchione症候群に一致する症例と考えられた.剖検では高度の栄養低下,全身諸臓器の萎縮の他,神経系においては本症候群に関する諸家の記載にほぼ一致する所見を,悪性黒色腫については左肺の他,左顎下,左中頸部リンパ節に転移巣を認めた.本例の死因に関しては,腫瘍死よりもむしろ原病の進展による精神神経症状の悪化によるものと考えられた.
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