原著
Trichoblastic Fibroma
石倉 多美子
1,3
,
吉田 正美
2
Tamiko ISHIKURA
1,3
,
Masami YOSHIDA
2
1厚生連高岡病院皮膚科
2金沢大学医学部皮膚科学教室
3石川中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Koseiren Takaoka Hospital
2Department of Dermatology, Kanazawa University School of Medicine
pp.321-324
発行日 1981年4月1日
Published Date 1981/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202403
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64歳,男の左前腕に見られたtrichoblastic fibromaについて述べた.それはクルミ大の半球状に隆起した弾性硬の腫瘍である.組織学的には境界明瞭で,被膜に包まれた充実性の腫瘍で,上皮性細胞成分と結合織性成分がほぼ同量を占めている.上皮性成分は基底細胞様細胞よりなる,比較的単調な島状胞巣をなし,内部に小嚢腫形成はみられるが,明らかな毛包形成は認められなかった.以上よりsolitary trichoepitheliomaとは異なり,Headingtonの分類によるtrichoblastic fibromaに相当すると考えられた.
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