Japanese
English
症例報告
Nuchal type fibromaの1例
A case of nuchal type fibroma
齋藤 京
1
,
田村 梨沙
1
,
吉田 和恵
2
,
石河 晃
3
Hitoshi SAITO
1
,
Risa TAMURA
1
,
Kazue YOSHIDA
2
,
Akira ISHIKO
3
1さいたま市立病院皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
3東邦大学医療センター大森病院皮膚科学教室
1Division of Dermatology,Saitama Munucipal Hospital,Saitama,Japan
2Department of Dermatology,Keio University School of Medicine,Tokyo,Japan
3Department of Dermatology,Toho University Omori Medical Center,Tokyo,Japan
キーワード:
nuchal type fibroma
,
項部
,
糖尿病
Keyword:
nuchal type fibroma
,
項部
,
糖尿病
pp.31-34
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102783
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要約 49歳,男性.半年前,自覚症状のない後頸部の皮下結節に気付いた.初診時,後頸部正中に3cm大の類円形に触れる弾力のない可動性やや不良の硬結を認めた.病理組織学的には真皮から皮下脂肪織深層にかけての膠原線維の増生を主体とした腫瘍であり,細胞成分は紡錘形細胞を膠原線維間にまばらに認めるのみであった.また,腫瘍は脂肪組織や細い神経を線維間に取り囲む像を伴っていた.特殊染色では紡錘形細胞はCD 34陽性,SMA陰性であった.以上よりnuchal type fibromaと診断した.本症は稀な腫瘍で,糖尿病に合併しやすいとされるが,本症例も無治療の糖尿病が発見され典型例と考えた.病理組織学的に本症はデスモイド腫瘍やGardner症候群関連線維腫と類似し,時に鑑別が困難である.一般に予後良好な疾患であるが局所再発の報告もあり,術後も経過観察が必要である.
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