これすぽんでんす
三和氏らのReactive perforating collagenosisを読んで/Solitary trichoepitheliomaとtrichoblastic fibromaとについて
山崎 雙次
1
1獨協医大
pp.78
発行日 1980年1月1日
Published Date 1980/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202175
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本症はperforating dermatosesの1つで極めて稀有な疾患であり,私自身このような症例の経験はないが三和氏らの著「リウマチ様関節炎患者にみられたReactiveperforating collagenosisの1例」(本誌,32;439-444,1978)を大変興味深く拝読させて頂いた.著者らはこれまで29例の報告がみられ,本邦では設楽らの報告がみられるのみとしているが,最近第77回日本皮膚科学会総会において町野ら1)の26歳男性例で幼児期より発症しているという報告がなされている.
本症に関して問題となる点は病因である.Mehregan2)は小児に好発し家族内発生をみることから先天性基因を考えた.また寒冷の関与3),糖尿病4)などとの関連性を考えた報告とともに三和氏らはリウマチ様関節炎の結合組織病変に外力が加わり結合組織の変性をきたし経皮的排泄機構が働いた結果と推論している.さらに氏らの症例で注目されることは副腎皮質ホルモン剤を長期内服しており,そのための表皮の萎縮も本症の発症に関与している可能性もあり,さらにリウマチ様関節炎,糖尿病ではともに血管病変が知られておりnccrobiosisをおこす誘因として血管病変も無関係とはいえない点であろう.きらにまた本症を含むperlbrating dermatoses,湿疹,菌状息肉症,アミロイド苔癬,black heelなど種々の疾患にtransepithclial eliminationの現象が観察されている.
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