連載 皮膚病理の電顕・12
付属器腫瘍(I)
橋本 健
1
Ken Hashimoto
1
1Wright State University School of Medicine
pp.74-77
発行日 1980年1月1日
Published Date 1980/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202174
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光顕による組織診断において,病理学者が確信をもって診断できる病変は限られている.たとえば血管炎などは臨床像の多様性にもかかわらず,血管周囲の白血球浸潤といった特異性の少ない,且つ共通な組織像しか与えない.
これに反し,付属器腫瘍,特にその分化の進んだものでは,正常付属器官との類似,或は特異な紅織像により確定診断が容易である.しかし,未分化なものになると組織化学,電顕が必要となるし,組織発生の究明には皮膚における各種付属器の胎生発生に関する知識が不可欠となってくる.以下,数回にわたってこれらの興味ある問題を解説したい.
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