連載 皮膚病理の電顕・13
付属器腫瘍(II)
橋本 健
1
Ken Hashimoto
1
1Wright State University School of Medicine
pp.248-250
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202201
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図34 エクリン汗腺や汗管腫内で証明される糖原は大きな分子である.腫瘍構造が基底膜を被り,且つ構成細胞に貪食活動がみられないことから糖原を外部より摂取する可能性は考えにくい.したがって細胞膜を通過する葡萄糖より細胞質内での糖原合成が考えられる.このglucose→gly—cogen合成の初期反応に関与する酵素がuridinediphosphate glucose (UDPG) pyrophosphorylaseで一般にphosphorylaseと呼ばれているものである.この酵素は糖原合成の過程でglucose−1—pho—sphateとuridine triphosphateの反応を司る.
図34Aは腋窩のアポクリン腺とエクリン腺の分泌部を同時に染めたものである.Phosphorylase反応はエクリン腺に強陽性で,大きな腺腔を示すアポクリン腺に陰性である.
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